腰痛

腰痛の定義

「腰痛」とは疾患(病気)の名前ではなく、腰部(下図)を主とした痛みやはりなどの不快感といった症状の総称です。
一般に座骨神経痛(ざこつしんけいつう)を代表とする下肢(脚)の症状を伴う場合も含みます。
腰痛は誰もが経験しうる痛みです。


腰痛は、痛みが続く期間の長さによって「急性腰痛」と「慢性腰痛」の大きく2種類に分けられます。
急激に痛くなった腰痛を「急性腰痛」俗にいう”ギックリ腰”と呼びます。
ゆっくりと痛くなってきた腰痛は「慢性腰痛」と呼ばれます。

また、それぞれ痛み方や痛みの大きさに特徴が見られます。

・急性腰痛・・・急激に痛くなり、痛みも激しい、しかし痛みは長く続かず1週間程度で引き、その後、腰痛があったこと
 を忘れて日常生活が送れる程度まで回復する。 ただし、一度急性腰痛を起こすと、疲れが溜まったり無理をした時
 再発し、これを何度も繰り返す傾向がある。

・慢性腰痛・・・軽い痛みから激しい痛みまで痛み方は人それぞれ異なり、長引く傾向があり、腰痛とうまく折り合いを
 つけながら日常生活を送るようになる傾向が強い。




<あなたは腰痛予備軍?○×チェック>

1. 歯並びや、噛み合わせが悪い。顎(あご)がずれている気がする。
2. ベッドが柔らかい。または、マットを使うなどして柔らかい布団に寝ている。
3. 細かいことを気にする方だ。または、心配性だ。
4. 身体が堅い。(足をそろえた状態で床に手が着かない)
5. いつもきつい下着を着けている。
6. 肉料理が好きだ。
7. 長時間、同じ姿勢で仕事をしている。
8. 休日は家でゴロゴロしている。

2項目以上…要注意 5項目以上…赤信号

上記のチェックでどの項目に当てはまるか確認して下さい。

上記のチェックで
選んだ番号
気を付けてもらいたい原因 詳 細 説 明
3 神経系の原因 ・痛みを敏感に感じやすいので症状が出やすい。
1・2 骨格異常 や体の歪みから来る原因 ・噛み合わせの悪さから体のバランスが崩れ 腰(骨盤)が歪む。
・腰の反りが大きくなる。または、無くなって腰が真っ直ぐになる。
4・6・8 筋肉疲労 からくる原因 ・動作による筋肉への負担が大きい。
・血液が酸性になりやすく、筋肉に乳酸がたまりやすい。
・筋力の低下。
5・7 血行障害 からくる原因 ・腰回りの血液循環が悪い。
・筋肉が緊張し硬くなり、その為、血行が悪くなる。


<腰痛を放っておくと…>
内臓への血液の流れが悪くなり胃腸障害を引き起こしたりする場合があります。また、女性の場合は子宮や卵巣への血液循環が悪くなり生理不順やホルモンバランスの乱れなどを起こし、悪くなると子宮筋腫や子宮内膜症などを引き起こすこともあます。

<腰痛の3大原因>

1.腹筋、背筋、大腿筋のバランス

背骨はその周囲にしっかりした健康な筋肉がないと形を維持できません。その為、運動不足、その他の原因で筋肉が弱くなると、悪い姿勢の原因になり、腰痛の原因につながります。
筋肉への負担は、筋肉疲労を生み、それが長く続くと筋肉組織内に、発痛物質であるブラジキニンを作り出し、筋肉による腰痛を引き起こします。

・ 筋肉バランスを悪くするもの…姿勢の悪さ(椅子の座り方、歩き方、寝方)、運動不足、ハイヒール、など

2.骨

変形性脊椎症、腰椎分離症、椎間板ヘルニア、仙骨の変位、などの骨の変形は言うまでもありませんが、近年多いのは(特に若い女性に多い)腰周りの筋肉バランスに伴う骨盤の歪みです。骨盤の歪みの為、腰椎や仙骨などに過度の負荷をかけてしまいそれが腰痛となって現れてしまいます。

・ 骨を変形させる原因…悪い姿勢での運動や仕事、生活習慣、骨の老化、など

・ 簡単な骨盤の歪みチェック方法
顔を前に向けるようにし、両手を顎(あご)の下で組んで、真っ直ぐに成るように(自分でそう感じる様に)うつ伏せに寝て下さい。これを他の人に見てもらい体が真っ直ぐになっているか、両足の長さは同じか、お尻の高さは左右同じかを見てもらって下さい。どれか一つでもおかしければ、あなたの骨盤は歪んでいます。

3.血行

運動不足による太り過ぎは脂肪の圧迫による血管の収縮につながる。きつい下着を着けることも同様。
血行を悪くすると筋力の低下の時と同様に血管の回りに発痛物質のブラジキニンを作り出してしまう。

血行を悪くする原因…コチコチ筋肉(筋肉のコリ)、同じ姿勢を長く続ける、きつい下着、運動不足、肥満、など


<家庭で出来る腰痛体操> 予防にも対処法にもなる

1. 曲がってしまった骨の矯正
[やり方] タオルを頭上で両手で持ち、ゆっくりと息を吐きながら左右に5回ずつ曲げる。
(勢いを付けないこと)

(タオルがたるまない様に引っ張りながら行う)

2.ストレッチで筋肉を柔らかくし、血行を良くする。(筋肉バランスの調整にもなる)
両膝を両手で抱えるように 持ち腰を伸ばす様にする。
(少し上下に揺らすとなお良い)


3.ストレッチで腰のまわりの筋肉をほぐす。
膝を立てる様にして、両手を後ろにつき両膝を左右に倒すようにする。


4.ストレッチで腰(臀部〜背筋)のまわりの筋肉をほぐす。
仰向けに寝て片膝を立て膝を内側に倒すようにして腰から背中にかけて伸ばす。



<腰痛を予防するビタミンB1>
ビタミンB1の効果 は、筋肉・神経系疲労の回復・筋肉痛の緩和である。
このビタミンB1を取る事で腰痛の予防になる。

1日の必要量は1mg(豚肉 120gで摂取できる)
・豚肉・レバー・貝類などに多く含まれる。
・さらにニンニクを加えると、ビタミンB1の吸収を早め効果的。
・豆腐などのタンパク質は骨や筋肉を作るのに不可欠なもの。合わせて摂取すれば腰痛予防の強力コンビとなる。



<医療機関での腰痛対応>

原因が確定できる特異的腰痛は、医療機関を受診する腰痛患者の15%くらいの割合といわれています。
その内訳は、腰痛自体よりも座骨神経痛を代表とする脚の痛みやしびれが主症状の疾患である腰椎椎間板
(ようついついかんばん)ヘルニアと腰部脊柱管狭窄症(ようぶせきちゅうかんきょうさくしょう)がそれぞれ4〜5%、
高齢者の骨粗鬆症(こつそしょうしょう)の方に多い圧迫骨折が約4%、結核菌も含む細菌による背骨の感染(感染性脊椎炎)や
癌の脊椎への転移など背骨の重篤な病気が約1%、尿路結石や解離性大動脈瘤(かいりせいだいどうみゃくりゅう)な
ど背骨以外の病気が1%未満です。

以下、腰椎椎間板ヘルニアと腰部脊柱管狭窄症について解説します。

@ 腰椎椎間板ヘルニア

椎間板が突出あるいは脱出し、座骨神経の始発駅部分である腰の神経(主に神経根)が刺激されることにより症状が生じる疾患です

(図2)ヘルニア図

若年〜中年層にみられる座骨神経痛は本症が原因である可能性が高いところです。
他人(医療機関では医師)が、仰向けに寝た状態で症状がある方の足を、膝のうらを伸ばしたまま少しずつ挙げていった時、
座骨神経痛が強まり途中で挙げられなくなったら診断は概ね確定します(専門的には下肢伸展挙上(かししんてんきょじょう)
テスト陽性といいます)。
(図3)ラセーグテスト

これを一人で判断する場合には、椅子などに浅く腰掛けた状態から症状がある方の足を伸ばしたまま少しずつ挙げてみて、
座骨神経痛が強まることで判断できます
(図4)一人で判断する場合。

中には痛みのため、体が横に傾いたままになってしまうこともあります(専門的には疼痛性側弯(とうつうせいそくわん)といいます)
(図5)疼痛性側弯


A腰部脊柱管狭窄症

腰骨(腰椎)の加齢変化に伴い、腰の神経(神経根および馬尾(ばび))が圧迫されることに起因します。
高齢の方で、背筋が伸びた姿勢になる立ちっぱなしや歩行中に足の痛みやしびれが生じ、腰が少し前かがみになる椅子に
座っている時、横向きで寝ている時、自転車に乗っている時は楽であるといった場合は本症が疑われます。
背筋を伸ばした姿勢では、腰の神経が強く圧迫され神経の血液循環が悪くなりますが、逆に少し前かがみになると神経の
圧迫が減るためです
(図6)腰の動きと狭窄の程度


特に、歩行中に症状が悪化し一時的に歩けなくなり、前かがみ姿勢で少し休むと再び歩きだせることを間欠跛行
(かんけつはこう)と呼び、本症に特徴的とされています
(図7)間欠跛行の状態 


 ※ 医療機関で原因が確定できる特異的腰痛の場合は、医師(整形外科)に、まずご相談ください。
   医療機関で受診をしながらでも整体で、より治りが良くなるようにサポートすることは可能ですので、ご相談ください。



<腰痛にならないための予防>

腰痛で日常生活が制限されると体力が低下し、腰を支える腹筋などの筋力も衰えて、さらに腰痛がおきやすくなります。
中腰にならないなど日常の姿勢に注意し、また腰の支持性(支える力)を高めるための運動や体操を継続することが予防になります。


●よい姿勢を保つ

長時間のデスクワークなどで猫背を続けるなど姿勢がよくないと腰に負担をかけて背骨のS字カーブを崩してしまいます。
よい基本姿勢を身につけ、常に保つことを心がけて座りましょう。

【よい姿勢】
  • @ あごを引く
  • A 背筋を伸ばす
  • B 腰と脚の付け根が直角になるように深く座る
【悪い姿勢の代表】
  • ・ 猫背
  • ・ 背もたれに寄りかかる
  • ・ 腰を反った姿勢

このような悪い姿勢は筋肉を緊張させて疲労が大きくなります。



●気をつけたい動作・姿勢

仕事や家事など日常の動作では以下のことに気をつけましょう。

                                                基本動作姿勢としてのパワーポジション
          ・ × 良くない姿勢(腰椎後弯位)  ・ ○ 正しい持ち上げ姿勢(腰椎生理的前弯)

                                                            基本座位姿勢
  ・ × 腰椎に負担のかかる座り方・ ○ 正しい座り方 ・バックサポートを利用 


・起き上がり方   


●腰痛にならない生活習慣を

  腰痛の原因は複合的ですから、生活習慣全般を見直すようにしましょう。

 ●食生活の改善
バランスのよい食事によってカルシウムやビタミンB、Dなどをとることが、骨粗しょう症など腰痛の原因となる病気の予防にもなります。
ニコチンが椎間板に悪影響を及ぼすといわれているので、喫煙は控えましょう。
 ●ストレス解消と入浴法
精神的なストレスも長引く腰痛の原因であるといわれています。
40℃ぐらいのぬるめのお湯にゆったりと入浴することは、血行をよくして筋肉の緊張をほぐし腰痛を改善するとともに、日常のストレス解消のためにもよいでしょう。
痛みがなければお風呂上がりのストレッチもおすすめです。




  普段から、腰痛にならないように、悪化しないように、きちんとケアを心がけてくださいね!

  整体院もみのきでは、腰痛の原因となる骨盤肩周りの筋肉に負担かける重心バランスの崩れや骨盤の歪み動きなども考慮し
  改善されるよう施術しています。
  是非一度、体験してみて下さい。


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