<ストレスと胃の関係>

胃の出血は日常生活のストレスでも頻繁に起こるとのこと。この胃の出血を直接起こしている物質は、胃液に含まれている胃酸。
体内と同じ37度の胃液にハムを浸けて置けば、2時間で原形をなくすほどに消化される強力なものである。

胃酸は強力な酸性物質 塩酸から出来ている。
平常、胃壁は、表面から分泌される厚さ0.5ミリの粘膜層によって胃酸から守られている。
しかし胃の機能が低下し、粘液の層が薄くなると胃酸の攻撃をもろに浴びてしまい、胃炎や胃潰瘍ができてしまう。ストレス以外にも、暴飲暴食など生活の不摂生が胃を痛めつける原因となる。

アルコールは胃の粘液に比べ、その分子が小さく、空腹時には大量に粘液に浸透して穴を広げてしまう。
そこから胃酸が入り込んで胃壁を攻撃するため胃に悪いと言われている。


<胃薬の種類> あなたの症状に合った、正しい胃薬を使っていますか?

・「制酸薬」 出過ぎた胃酸を抑える効果を持つ。食前、食間に服用する。
・「消化薬」 消化を助けるための促進剤。食後に服用する。
・『H2ブロッカー』 近年注目されている胃薬
胃酸は、ヒスタミンという物質が胃の内壁の胃腺を刺激し分泌される。
『H2ブロッカー』を服用すると、胃腺は塞がれヒスタミンを受け付けなくなり、胃酸の分泌はほぼ完全に止まる。
胃酸過多の人には効果が絶大。ただ、効果がある分、副作用が大きいので使用法には注意を!

<チェック「あなたは、自分に合った胃薬を飲んでいますか?」>

1. 他人の噂話が気になり、物事を悪いほうに考えてしまう。
2. 寝起きの煙草が習慣である。
3. 朝食を抜いてしまう。
4. のどが渇くとつい炭酸飲料を飲んでしまう。
5. 食事をすると必ず1番先に食べ終わる。
6. いつもテレビを観ながら食事をする。
7. 寝る時間がバラバラである。
8. 布団に入って30分以上寝付けない。

1〜4に○が多い人は、「胃酸過多」傾向 → 胃薬は食前に「制酸剤」を!
5〜8に○が多い人は、「消化不良」傾向 → 胃薬は食後に「消化剤」を!
両方に○が多い人の胃薬は、→ 「総合胃腸薬」を!

<胃の健康チェック法>
胃の内部は皮膚とは違い痛みを感じる神経がまばらにしかないので少々の胃の痛みは感じることができないことがある。
だからこそ胃が不健康であるというシグナルには十分注意しよう。

「口」
・唇の荒れ、乾燥は、胃が熱を持ち、水分が不足している表われるといわれている。
・口の回りの出来物は、糖分の摂り過ぎで胃の粘膜が荒れているためといわれている。
・口角のただれは、夜遅くの飲食や間食など胃の疲れが原因といわれている。

「舌」
・舌の色が白いのは、冷たいものを摂り過ぎて消化不良を起こしているといわれている。
・舌の色が黄色い場合は、胃に熱を持っている。刺激物の摂り過ぎで胃酸過多の危険性がある。

「胃の症状は左側に出る」
・左手の親指と人差し指の付け根の部分(合谷)を押して痛みのある人は、胃になんらかの支障があるサイン。
・ 左足の裏、親指の付け根『胃の反射区』と呼ばれる部分を押してみて痛ければ胃が弱っている証拠。


<胃下垂>

胃下垂は病気ではなく、胃の形の一種である。
胃下垂とは、ものを食べた後、胃がその重さに耐え切れず垂れ下がり、骨盤の上を結ぶジャコピー線よりも、胃角(鉤状の曲がりの内側の最低点)が下にのびてしまう状態のことを言う。
胃を支えてくれる筋力や脂肪のないやせ型の人が胃下垂になる。
胃下垂でやせるのではなく、やせたから胃下垂になるのである。
そして、一見痩せて見える胃下垂の人の胃は、食事をすると腸の前まで垂れ下がり、下腹が出てしまう。

<胃下垂の悪い点>

胃では胃液と共に蠕動運動により消化活動をしている。この動きが正常に働いて消化活動ができる。
胃下垂になると上手にものが消化できず、胃の中にものが溜まった状態が長く続き消化不良になってしまう。
調べてみると、通常の胃の消化率に対し、胃下垂の胃の消化率は、およそ1/3ほど悪い。(蠕動運動もほとんど無い)
胃が消化不良を起こすと、食べた物の栄養を十分に吸収できなくなり、その弊害として肌荒れなど、様々なところに異常が出てくる恐れがある。
その上に、消化できないものを必死に消化しようとするため、胃酸が多く分泌され胃酸過多になる。
要するに、消化不良でありながら胃酸過多という最悪の状態になってしまう。
これは、胃炎、潰瘍を起こす危険性の高い状態である。
何を取っても胃下垂には良い所など一切ないのである。

<胃下垂・胃が弱っている人の為の対処法>

・ 床に座らず椅子に座り、背筋を伸ばして食べる。
・ゆっくりとよく噛んで食べ、満腹にはしない。(昔から言う「腹八分目」)
・極端に熱いもの、冷たいものは避ける。急激な温度変化は胃を収縮させ蠕動運動(ぜんどううんどう:消化の為の胃の動き)のリズムを乱す。
・屈伸運動や、椅子に座って脚を交互に伸ばすことなども良い。自分の体調に合わせて適度な運動にする。



inserted by FC2 system