腸(腸内細菌)

<腸とは…>

腸と一般的に呼ばれているのは、6種類の臓器の総称です。 
小腸と大腸に大別されることはよく知られていますがその働きは、胃で消化された食べ物が食後4時間前後で、まず到達するのが小腸です。
栄養素の90%はここで吸収活動を終了します。
そして残る10%の吸収と排泄を司るのが大腸です。
老化の影響で、腸年齢が最もよく現れるのは、この大腸です。


<腸の老化とは‥>

人の腸内には300種類くらいの細菌がいて、善玉菌と悪玉菌という二種類の細菌が住んでいます。
腸が老化してくると、善玉菌ではなく、悪玉菌が増えてくるのが一般的な現象です。

※ 大腸に住む腸内細菌の割合は、本来40代を境に善玉菌優勢から悪玉菌優勢へと変化するものです。 
しかし、戦後の欧米化した肉食中心の生活によって若者の腸内細菌バランスが崩れ、若い人でも悪玉菌が多くなってきています。


<腸内細菌とは…>

腸 内 細 菌 作  用
善玉菌 ビフィズス菌、ユウバクテリウム、腸球菌 1:病原性細菌を追い出す。
2:ガン細胞を死滅させる。
悪玉菌 ウェルシュ菌、ブドウ球菌、大腸菌、緑膿菌 1:便秘・下痢・肌荒れの原因に。
2:大腸ガンをひきおこす

悪玉菌とは…悪玉菌の最大の特徴は、自ら罪を犯すのではなく、硫化水素やアンモニアといった有害物質を作
り出す黒幕的な存在である ということです。
悪玉菌の忠実な手下で有害物質の働きがあります。 
最も得意とするのは、便秘や下痢といった排泄リズムの乱れ、ニキビ、肌荒れといったトラブル、ちょっとしたことでも風邪をひきやすい…など。
しかし、これは悪玉菌による軽い悪さです。

悪玉菌がその勢力を強めると困ったことになります。 
それは悪玉菌ボスのもとに幹部クラスの強力な部下が出現してしまうということ。 
アミンやフェノール、二次胆汁酸などの発ガン性物質の登場です。この発ガン性物質がまずターゲットにするのが、本拠地の大腸です。
日本人に大腸ガンが急増しているのは、これが原因だったのです。 
そして、大腸からの吸収ルートを通って、発ガン物質は全身へ。 
この脅威こそが悪玉菌の重犯罪なのです。


<便秘に効くツボは?>

大衝(たいしょう)…足の人さし指と親指の間、指3本分上のところ。腸の働きを活発にし、便の排泄を
促す効果がある。

足の三里(あしのさんり)…向こうずねの外側、膝の少し下にあります。消化機能を回復させ、慢性的な
便秘治療に効果がある。


<悪玉菌は何故増えるのか?>

完全に消化されない肉類は、大腸の中で腐敗便へと変化します。
これをエサにして悪玉菌が一挙に増殖します。
つまり悪玉菌の大好物は肉なのです。
若者の腸が老化しているのも、戦後の欧米化によって増加した動物性脂肪の影響です。
ちなみに肉食大国アメリカでも大腸ガンは死亡率2位と深刻で肉食中心で進化してきた欧米人の腸の長さは1mほどなので、腐敗する前に排泄しやすい短い腸なのです。
一方、日本人の腸は野菜や穀類で進化してきたため、その危険性を知らず1.5mほどの長めの腸を持っています。
年々欧米化する食卓に追いついていない日本人の腸は長い分だけ腐敗便を作りやすく悪玉菌増殖の危険性も高いのです。


<腸年齢チェック> 3つ以下なら大丈夫。7つ以上は赤信号!

1.便秘と下痢が周期的に繰り返される。
2.便の色が緑褐色もしくは黒みが強い。
3.プカッと浮く便で、異臭が強く残る。
悪玉菌が仕掛ける悪さの初期症状

対処:炎症の悪化を防ぐα-リノリン酸を摂る
4.朝から眠気があり、睡眠時間も長い。
5.鼻の先が、とても冷たい感じがする。
6.年齢よりも老けて見られる事が多い。
腐敗便が溜まりやすい便秘の症状

対処:腐敗便を溜めない不溶性食物繊維を摂る
7.衛生観念が強く、潔癖症気味である。
8.一日中、室内だけで過ごす。
9.肉が好きで、魚や野菜類は食べない。
善玉菌が増えにくい生活パターン

対処:善玉菌を増やす菌類&オリゴ糖を摂る



<潰瘍性大腸炎>

日本人の腸に襲いかかる難病は、実は大腸ガンだけではありません。
厚生省が次世代型の難病として取り組む39種類の中で、現在最も患者数の多い病気が『潰瘍性大腸炎』です。
この病気は発症者の1/3が20代という若者病でもあります。
その原因も、やはり悪玉菌の増加。次々と発生する有害物質を抑制するために、若い体ほど抗体物質(TNF-α)を盛んに出動させます。
いわば腸を守るポリスマン。
この物質が活躍することで、悪玉菌の手下達は撃退できるのです。
しかし、若くてハリキリ屋のポリスマンは、ささいな事でも派手な攻撃をするため、周囲の正常な細胞まで傷つけてしまいます。
正常な腸粘膜の細胞はギュッっと詰まっていますが、そこに潰瘍ができると、ぽっかりと空洞が空いてしまいます。
こうなると人体は悪玉菌が発する有害物質を直接受けざるをえなくなるのです。
始めは単なる下痢から始まり、やがては、たびかさなる血便、貧血、意識障害へと症状は進行してゆきます。
( 若さゆえの過剰防衛、肉食、ストレス これらは潰瘍性大腸炎の三大要因 )


<腸年齢を若返らせる有効食材>

1.『腸の炎症を防ぐ』α-リノリン酸(体内でEPAやDHAに変化する物質、サンマ・サバ・イワシなどの青魚に多く含まれる。
2.『腐敗便を溜めない』不溶性食物繊維(ごぼう・さつまいもなどの野菜に多い。)
3.『善玉菌を増やす』 菌もの&オリゴ糖(オリゴ糖は善玉菌のエサになる。ヨーグルト・乳酸菌食品でもOK!)
オリゴ糖を含むものとしては、ごぼう・味噌(大豆)・蜂蜜・タマネギ・アスパラガスなどがある。


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